懐かしいってそんなにいいんだろうか。あたしには到底理解できない。高校に入って(ボロいアパートで)一人暮らし。しばらく経ってオトナは消えた。なんでも少し町外れのところに20世紀博というのが出来て、オトナたちはずっとそこに入り浸っているということ。確かにあたしはレトロっぽいの好きだし?軍服愛してるし、自分が小さい頃見てたアニメとかあるけど、みんなみたいに執着できない。そういえばクラスの子も此処に入り浸ってるって聞いた。(20世紀のほとんど最後にしか生きてないのに)(何が懐かしいだよ、と本当に思う。)
オトナが20世紀博に洗脳されたかのごとくに連れて行かれて数日。入り浸るよりこれはひどかった。その日はどのオトナというオトナもはっきり言って今の小学生以下の頭しかなかったんじゃないだろうか。わいわいがやがや。たまたまふたば幼稚園の前を通って居たら、見慣れた二人が居た。「しんちゃん。」とあたしが名前を呼ぶと、「ちゃん。」といつものしんちゃんより元気がない声で言った。元気ないね、と言いたかったけどこの状況からしてそんなこと言うまでもなかった。グラウンドというには小さいふたば幼稚園のグラウンドで、しんちゃんと、ひまちゃんと、あたし、先生たちの缶蹴りを見ていた。しばらくしてどこからか鳴った音に、オトナたちは惹かれて車に乗って、消えた。途中でしんちゃんがひろしさんたちが乗ってるのを見て追いかけたけど、途中で壁にぶつかってしんちゃんは倒れてしまった(顔面真っ赤になってたから氷を)と思ったらコンビニはちびっこいガキ(失礼)が占領してて入れない。いざこざは今時間の無駄だと思ったからだ。とりあえずしんちゃんをあたしの部屋まで連れて行き、冷凍庫にギリギリあった氷を差し出した。
それから数日。しんちゃんたちと一緒に行動して、数日。デパートに泊まるなんていう初めてのことをして二日ぐらい経っただろうか。結局20世紀博の人間に捕まってしまって隔離された状態だった。いつも話しかけてくる20世紀博のスタッフがかなり可愛かった。それでも、20世紀博の考えてることには到底、理解できないと、スタッフが理想論を話してるときに思った。

昭和じゃない、平成だ。


懐かしき昭和レトロなんて、平成の女子高生には通じないのでした。
















(話しかけてくるスタッフの声こそすずむら!!)