藍染隊長らのあの事件から一週間ほど。いつもと同じ情景だいぶに戻った。けれどいまだに雛森副隊長は目を覚まさないし、居なくなった隊長方の穴はまだ埋まっていない。そんなある日。イヅル・・・いや、吉良副隊長を探していたあたしであったけれど、見つからない。(まるで市丸隊長探してるみたいだ)(でも残念ながら今日は非番だ!)
仕方ないので最初に十一番隊に行って、斑目さんに聞こうとしたら一護が戦っちゃって、挙句更木隊長が一護と真剣勝負しようとしてその勢いであたしは吹っ飛ばされた(まさかなんだけど本当に)(ああああ左足痛い。)と、思ったらまさかのなかなかの傷が出来ていた。けどとりあえず舐めていれば治ると思ってイヅルを探し始めた。
最初は適当に探していれば見つかると思って朽木隊長のお見舞い兼ねて朽木隊長と恋次に聞いてみたけど知らないっていわれるし、雛森副隊長のところに行けば居るかもって思ったけど居たのは卯ノ花隊長と日番谷隊長だけだった。(まてまて)(本当に居ない。)
日番谷隊長が出て行くところを卯ノ花隊長が止めて、雛森副隊長に声をかけてあげてくださいと言っていたけど、日番谷隊長は今の自分には声をかけることはできないと断っていた。(本当に大切なんだなあ、雛森副隊長のことが。)あたしも卯ノ花隊長に声をかけてあげてくださいといわれたので、「・・・さっき日番谷隊長が、お見舞いに来ていらしてましたよ。」「みんな雛森副隊長のこと、待っていますから。」とまだ意識が戻らない雛森副隊長に言った。あたしの声が、届いていればいいな。
雛森副隊長の病室を去ったあと、病室の外で日番谷隊長が立っていた。腕を組んであたしを睨む様にみていた日番谷隊長は、「雛森に余計なこと言ってんじゃねえよ。」とあたしに言った。そして踵を返して隊長のしるしである羽織をひるがえらせながら日番谷隊長は「吉良なら松本のところにいる。」ついて来い、とあたしに言った。照れなのかよくわからないけど、今まで怖いイメージしかなかった日番谷隊長の新たな一面を発見できた気がしてふ、と笑ったら、日番谷隊長は気持ち悪い、と言いながら先に歩き始めた。
夕方になりはじめたころ。十番詰所にお邪魔させてもらい、日番谷隊長が扉をあけるとそこにはうつぶせに(酔っ払って)寝ていた松本副隊長とふんどし一枚で仰向けに(酔っ払って)寝ていた檜佐木副隊長と、あたしがずっと探していたイヅルがそこに居た。
松本副隊長は、はっと目が覚めて、日番谷隊長に「隊長知ってますか?あたしってうつ伏せに寝ると呼吸できなくなるんですよ。」と、なぜか語り始めた。(相手にしてない日番谷隊長)そしてあたしは檜佐木副隊長とイヅルのところに行って、とりあえず二人を起こした。「ふんどし一枚とかやめてよね。」とまだ眠っているのかうつろなイヅルに言った。檜佐木副隊長は完全に酔いが覚めたのか黙々と着替え、起こしてくれてありがとうとあたしに一言言って、去って行った。なかなかわからない人だ。あの副隊長も。(ほっぺに69って。)(なんて本人には絶対言えないけど)
で、あたしが探してた当人はいまだ一人だけ完全につぶれている。ほっぺをべちべちとたたいてようやくおきた。(おはようイヅル)(・・・なんでが居るの!?)あわてて彼は着替え始め、松本副隊長と日番谷隊長に会釈をして、まだ酔いが完全に覚めてないよぼよぼの足で十番隊舎をあたしの腕を掴んで走った。・・・きっとこれは指摘すると顔真っ赤にしてあわてるんだろうな。酔いがいきなり覚めたりして。


あらしのあとのささいなしあわせ

(イヅル、てはなしてくんない?)(・・・ご、ご、ごっごめん!!!!)(いい反応だ。)