※全文会話のみ 「おや…」 「どうされましたか、兄上。」 「これは…太子様と白蓮皇子ではございませんか。」 「、こちらの方々は…」 「はいっ!わがくにのだいいちおうじさまとだいにおうじさまでいらっしゃいますね!」 「はは、随分と元気が良いな。」 「申し訳ございません…」 「いや、元気なのは良いことだ。」 「皇子の御前だ。名乗りなさい。」 「はいっ!おはつにおめにかかりますっ!李ともうしますっ!」 「随分と小さな客人と思えば噂の李家の娘か。」 「こんなちっせー頭ん中に宮中の書簡が全部入ってんのか?」 「…白蓮、頭から手を離してやれ。痛がっているぞ。」 「は、はいっ!こうのはんえいのために、すこししでもおやくにたてるようにべんがくにはげみましたっ!」 「きゅうちゅうにあるときいたしょかんはすべてはあくしております、です!」 「頼もしいな。」 「ほんじつも、たいしでんかさまにおあいできてこうえいですっ!」 「嬉しい事を言ってくれる。…して李は歳はいくつになる?」 「はいっ!ことしでここのつになりますっ!」 「九つ…白瑛と同い年か。」 「それでこの頭脳かよ…」 「李が煌に貢献してくれる日を楽しみにしている。」 「はいっ!おじいさまたちのようにはぶげいのさいはございませんが、こうのためにふんこつさいしんさせていただきたいとおもいますっ!」 「はは、今度は是非白瑛の話し相手になってやってくれ。」 「じゃあな!。」 「…かみのけぐしゃぐしゃになっちゃった。」 「だいにおうじさまにつづいて、たいしでんかもあたまをなでられるのがおすきなのかな?」 「おじいさま、たいしさまはとてもすてきなおかたでいらっしゃいますねっ!」 「…ああ。」 「はもっとべんがくにはげんで、たいしさまのおちからになりたいとおもいますっ。」 (練 白雄) 「黄文殿。ごきげんよう。」 「…いいところに来た。李。」 「…?」 「お前、私が誰にお仕えすることになったか覚えているか?」 「皇帝陛下の七女でいらっしゃいます、第八皇女・紅玉様かと。」 「そうだ。先日私が初めてお逢いした時は噂以上の状態であったが…」 「最近は目を合わせて話せるようにまでなったのだ!」 「と、言うわけで李。お前今から姫の処へ来い。」 「…少しばかり、話し相手をしてやってはくれないか。」 「…黄文殿。」 「出世のことしか考えていらっしゃらないと思っていましたが、意外といいところもあるんですね。」 「お前…人が下手に出ていると思って…」 「そ、そんなつもりはありませんよ…!是非お逢いしたいです!」 「やはり同年代の同性とお話出来るのは嬉しいですから。」 「ありがとうございます、黄文殿。」 「…これも姫の為だ。」 「…だ、だぁれ?」 「初めまして紅玉姫。第一皇子・紅炎様にお仕えしております、李と申します。」 「お逢い出来てうれしゅうございます。」 「…そ、そう。」 「紅玉姫より四つほど歳が上になりますが、同年代の女性とお話する機会が滅多に無いので、お逢い出来て感激の極みでございます。」 「よ、よっつしか…変わらないのに…お、にいさまに…仕えているの?」 「左様でございます。」 「だ、だったら…とも、だち、ぐらい…居るんじゃ…ないの?」 「…同性にあまり好かれる立場におりません故に、」 「紅玉姫が、禁城に出仕して初めて女性で私の目を見てお話してくださりました。」 「じゃ、じゃあ…わ、わたくしと、お友達に…なってくれる?」 「え?」 「目と目をあわせてお話する事ができるって、お、お友達の…証拠じゃない、かしらぁ…?」 「で、ですが…わたくしは官吏ですので…」 「たまに、でいいの…わたくしと、こうやって…お話してくれない、かしら?」 「…」 「わたくしでよろしければ、いつでもお呼びつけくださいませ。」 「とは言え、わたくしは紅炎様にお仕えしている故に、参上出来ない場合もございますが…」 「いいの…!また、お話して、ね。…。」 「…はい、紅玉姫。」 (練 紅玉) 「ねぇ、?」 「ずーっと聞きたかったんだけどぉ…」 「なんでしょうか?紅玉姫。」 「はお兄様の眷族ではないのかしらぁ?」 「眷族…ですか…?」 「そうよぉ。私には夏黄文が居るでしょう?」 「それにお兄様にも複数のジンに対して複数の眷族がいらっしゃるわぁ。」 「だって長い間お兄様の側近としてお仕えしているのだから、眷族だったとしてもおかしくないじゃなぁい?」 「…そう、ですね。」 「紅玉姫のおっしゃるように、わたくしは紅炎様の眷族でございます。」 「ですが、わたくしは一度たりとも我が君に眷族器を使わせてもらったことがございません。」 「…え、」 「いつも肌身離さず持ち歩いている羽扇は以前、紅炎様から頂いたものであり、この羽扇こそフェニクスの眷族器になります。」 「ですが…先ほども申したように、使ったことはございません。」 「…兄上や、他の眷族の方々は皆同化をされていらっしゃるのに、私は発動すらさせてもらえません。」 「お、お兄様はなんておっしゃっているのかしらぁ…?」 「同化についてはいずれ何処ぞの一族に嫁ぐ事になるであろう女のわたくしには認められないとの事ですが…眷族器の使用についても…頑なに禁じられております。」 「そんな…」 「は…どう思っているの…?」 「…」 「たまにですが…眷族器の事を考えると自分はやはり役に立たぬ女だと卑下したくなる事もあります。」 「しかしながら、間接的に我が一族の反映は煌の磐石を確固とする一手に繋がるとは言え、妹背の契りなど本来は私的な事である処を気に掛けていただいておるわけです。」 「そう言われてしまっては私は男性ではなく女です。自分の役目は理解しているつもりですので、我が君がそう言われるのならば、それに従うまでです。」 「ですから、そんなに悲しそうなお顔をなさらないでください、紅玉姫。」 「…は大人ねぇ。そうやって割り切っちゃうんですものぉ…」 「勿論割り切れているとははっきりは言えないですが…」 「…こうして紅玉姫がわたくしを気遣ってくださっただけでとても幸せですよ。」 「あたりまえでしょう!わたくしとはお友達なのだから!」 「楽しい事も、悲しい事も、どちらも共有して当然でしょう?」 「…ありがとうございます、紅玉姫。」 (練 紅玉) |