DIARY//SS



「黒崎さんって、」
「あ?」
「なっちゃんじゃないですけど、警戒心が強い犬みたいですよね?」
「…お前とうとう頭イッたか?」
「えー?正常です?」
「どこがだ。」

「多分無意識だと思うんですけど、」
「黒崎さんって初対面のひととか、信用できないひとには」
「おまえとか、あいつとか、あのひと、とか言うんですよ。」
「でもなんだかんだ認めてるひとは必ず名前で呼んでるんです。」

「ほら、寿さんとかあんだけウザがっててもなんだかんだで嶺二って呼び捨てしてますし、」
「春ちゃんだってあんだけ拒絶してた割りには春歌って今は呼んでますよね?」
「認めてる証拠だなーって長年見ててわかりました。」

「だから警戒心が強い犬って感じだなーと。」

「…。」
「結構図星でしょ?」
「…。」
「やっぱり。」

「あ、でも」
「その原理で行くと私も名前で呼ばれてますよね…」
「でも私黒崎さんに認められるような頭一つ抜けた実力とかもないし、」
「信用されるほどの日向さんみたいな仕事人って訳でもないですよねー…」

「なんで私もしたの名前で呼んでるんですか?」
「…別にいいだろ。」

「えー?」
「気になるじゃないですかー?」
「…」
「くーろーさーきーさーん」
「…うっせえよ」
「おーしーえーてー?」
「…お、お前さっき無意識だと思うつってただろ!!」
「あ、そういえば。」
「わかったら俺に聞くな!」

「あとちけえよバカ!!」
「腕はなせっつーの!」


(うたの☆プリンスさまっ♪/黒崎蘭丸)



@りんごちゃん  5時間前
おはやっぷー!今日は従妹とマスカレードミラージュ観劇よ♪

@あいちゃん   5時間前
@りんごちゃん 今日観に来るの?

@りんごちゃん  5時間前
@あいちゃん 行くわよ〜!楽しみにしてるわっ☆

@りんごちゃん  3時間前
従妹と合流♪

@りんごちゃん  3時間前
従妹はアイドルに全く興味ないんだけど、たまたま上京してたからダメもとで誘ってみたの!

@りんごちゃん  3時間前
でもやっぱりあんまり興味なさそうに隣に居るわ…(´へ`;)

@りんごちゃん  3時間前
開場!

@りんごちゃん  3時間前
ちょっとだけ楽屋に挨拶よ〜っ

@りんごちゃん  3時間前
客席に戻ってきたのに従妹が本ばっかり読んでてつまらない〜

@りんごちゃん  2時間前
そろそろ始まるわ〜!や〜っと見れるから楽しみ♪

@りんごちゃん  15分前
みんなますます成長しちゃって♪マスカレードミラージュ面白かったわ〜(*・▽・*)♪

@りんごちゃん  15分前
従妹も3人に関心を持ってくれたみたいっ☆パンフレットを買いに行ったみたい!うれしいわ〜♪

@りんごちゃん  5分前
そんなわけで今から従妹とお食事♪またね〜っ

@なっちゃん   30秒以内
@りんごちゃん 今日は観劇ありがとうございました!あまりお話できませんでしたが、また感想聞かせてください。


(うたの☆プリンスさまっ♪/月宮林檎)



「今日の文化祭は僕のお姉ちゃんも来るんです。」
「へぇ、伏木蔵くんにはお姉さんが居るのか。」
「はいー。父と母の代わりに来てくれるんです。」
「そうか。では挨拶しなければな。」

「こら〜伏木蔵!雑渡さんの膝に乗らない!迷惑だろ!」
「いつものことじゃないか伊作くん。」

「あ、お姉ちゃん!」
「伏木蔵〜!久しぶりね!ああもう相変わらず可愛い!」
「お、お姉ちゃん…苦しいよぉ…」

「ぎゅ〜!!」

「伏木蔵くん、彼女が君のお姉さんかね?」
「あ、雑渡さん。」
「…だぁれ?」
「お姉ちゃん、この人が雑渡昆奈門さんだよ。」

「え、あぁ!いつも伏木蔵がお世話になってます。」
「なんていうか聞いたところによると何やらおじやを頂いたり遊んで頂いたりいつもご迷惑ばかりかけているようで…」
「いやいや、こちらこそ伏木蔵くんや保健委員の子達にお世話になっていますのでお気になさらず。」
「お逢いできて嬉しいですよ、お姉さん。」
「は、はい…こちらこそ!今後もご迷惑をおかけすると思いますが伏木蔵をよろしくお願いいたします。」

「ねぇねぇ、お姉ちゃん!ご飯食べて行ってよ〜」
「あ、伏木蔵のお姉さんだ!お久しぶりです!!」
「乱ちゃん!伊作くんも!久しぶり!」
「ってことは此処は保健委員会の出し物なの?」
「そうだよ〜幸運食堂って言うんだよ〜」

「では雑渡さんもいかがですか?」
「え?」
「日ごろお世話になっていますし、気持ち程度ですが奢らせて下さいな。」
「…ではお言葉に甘えて。」
「ありがとうございます!私と雑渡さんと後保健委員のみんなの分くださいな。」
「え、ぼ、僕達の分は気にしないで下さい!」
「いいのいいの!伊作くんや乱ちゃん、左近ちゃん、数馬くんにもお世話になってるし…ね?」

「此処はお姉さんに任せなさい?」

「伏木蔵のお姉さん、ご馳走様でした!」
「伏木蔵のお姉さん、ありがとうございました!自分達で言うのもなんですけど、おいしかったです!!」
「ご馳走様でした、伏木蔵のお姉さん。」
さん、ありがとうございました。僕たちまでご馳走になってしまって…」
「こちらこそいつもありがとう。あ、ほら伏木蔵ほっぺついてるよ。」
「ん〜?」
「ほら、伏木蔵くん。」
「ありがとうございます〜」
「す、すみません…私が居ながらもご迷惑をおかけして…」
「お気になさらず。ところで伏木蔵くんのお姉さんはさんで、よろしいですか?」
「はい、鶴町です。」
「ではさん、ご馳走様でした。」

「お姉ちゃん、まだ文化祭回ってないんだよね?」
「そうだよ、今来たばっかりだからね。」
「じゃあ伏木蔵、さんを案内しておいで。」
「は〜い。あ、雑渡さんも来ますか?」
「伏木蔵くん、お姉さんと水入らずの方がよくないかい?」
「いえいえ気にしないで下さい!私と伏木蔵は会おうと思えばいつでも会えますし!」
「それに…いつもお話に出てきていた雑渡さんともう少しお話してみたいなぁ、なんて駄目ですかね?」
「…」
「雑渡さん…」
「…わかった。」
「ありがとうございます、じゃ行こっか?」
「うん!」

「伏木蔵と伏木蔵のお姉さんって本当に仲良しですね。」
「雑渡さんに興味持っちゃってるあたりもそっくり…」
「雑渡さんに物怖じしないところもそっくりだしね…」
さんと雑渡さん…言っていいのかわからないけど…」

「伏木蔵のお父さんとお母さんみたいですね!」

「…乱太郎…はっきり言うなよ…」
「せっかく伊作先輩が濁したのに…」
「あはは…」



「ねぇねぇ伏木蔵。」
「なぁに?乱太郎?」
「この間の文化祭でお姉さんと雑渡さんと回ってたけどどうだったの?」
「えー?普通だよー?」
「あ。」
「お?」
「あえて言うならー、」
「あえて言うなら?」
「この間来た手紙で、お姉ちゃんと雑渡さんが…」
「お付き合いを始めたって書いてあったよ?」

「…」
「「「「えぇえぇぇええぇええ!?」」」」

「…そんなに驚くこと?」
「伏木蔵って、相変わらず肝が据わっていると言うか、なんと言うか。」


(落第忍者乱太郎/雑渡昆奈門)



「白麗先輩!」
か、まだ学校に残っていたのか?」
「はい、生徒会のお仕事で残っていたらこの時間で…」
「白麗先輩は部活の帰りですか?」
「ああ。」
「お疲れ様です!」
もな。」


「生徒会は慣れたか?」
「はい!」
「今年の生徒会もあと少しなので、引き継ぎ準備とかで毎日忙しいです…」
「次の生徒会は確か…」
「えい政先輩を筆頭に蒙恬先輩と漂先輩、私たちの学年からは蒙毅ちゃんが三役に選ばれてます。」

「あ、そういえば白麗先輩、今日は髪の毛を下されていますね。」
「ん?…ああ、さっき部活中に髪紐が切れたんだが…」
「替えを持っていないのでそのまま帰ろうかと思っていたんだ。」
「少し鬱陶しいが、あとは帰宅だけだからな。」

「からまないゴムでよかったら使われますか?」
「私持ってますよ?」


「…その、だな。」
「よかったら…結ってもらえないだろうか?」
「あ、そうですよね、先輩は大きい荷物もありますし…」
「不器用だからいつもの白麗先輩みたいに結えるかわかりませんが、私でよければ!」
「…ありがとう。」


「先輩、ちょっとかがんでもらっていいですかー?」
「これぐらいでいいか?」
「ありがとうございます!」

「白麗先輩って本当に髪の毛サラサラですねー。」
「そうなのか?」
「女子が嫉妬するような髪ですよ、サラストってやつです。」
「…の手は心地がいいな。」
「そ、そうですか?」
「ああ、気遣いを感じる、優しい手つきだ。」
「ありがとうございます、なんか恥ずかしいなあ。」

「はい、できました!」
「すまないな。」
「いえ、私でよければいつでも結いますよ。」
「ああ…また頼む。」


はまだ帰らないのか?」
「いえ、鞄を教室に取りに行ったら帰りますよ?」
「此処で待ってるから早く取りに行って来い。」
「え、あ、いやいや、お手を煩わせるわけには…」
「俺がしたいだけだ、気にするな。」
「女一人の夜道は危ないからな。」

「あり、がとうございます…」
「じゃ、じゃあ全速力で鞄取ってきます!」
「転ぶなよ。」
「はいっ!」


(キングダム/白麗)※学パロ



「…タイに行きたい。」
「急にどうしたんですか。」
「鎖国してます、を合言葉にしてるちゃんが珍しいね。」

「鎖国はしてます、日本から出たくないです。死んでもまだ。」
「でもですね…見てくださいよ…これ…」

「なになに〜?」

「見てくださいよこの…この…」
「素晴らしいお寺!!!!!」

「…らしいっちゃあ、すごくちゃんらしいよね。」
「確かに。お釈迦様ラブ☆なさんらしい理由ですね。」

「やばくないですか!?めっちゃきれいじゃないですか!?」
「この真っ白さ…めちゃくちゃ細かいんですよ…?」

「なんか教会みたいだね。白さといい、建築といい。」
「ああ、そういう風に言われてもいるみたいです。」
「教会だったら僕とちゃんの結婚式とハネムー…」

「いや、私結婚するなら仏前って決めてるんで。」

「手厳しいなぁ…」
「寺院なので仏前式であってると思いますけどね。」

「この白さ、この輝き、この繊細さ…」
「まだ未完成らしいんですよ…サグラダファミリアみたいで夢がありますよね…」
「なのにこのおどろおどろしい数多の手…亡者が救いの手を差し伸べて欲しそうにしている姿…よく見ると人間以外の手もあるんですよ…」
「まさに天国と地獄…天国は上に作られていて、地獄は下に作られてます…」

「はあ…タイに行きたい…すてき…」

さん、ご飯落としそうですよ。」
「え、あ、ご、ごめんなさい…」
「一瞬頭がタイに行ってたね。」

「でもですね…あのお寺…少しだけ不満があるんですよ…」

「浄土って…もっと煌びやかじゃないですか…」
「白磁で清廉さを出すのはわかるんですけど…」
「浄土は金銀パールプレゼントと言わんばかりの煌びやかさですからね。」

「そうなんです…浄土は瑠璃の花を筆頭に割と極彩色じゃないですか…?」
「白くて今までにない素敵なお寺ではあるのですが…」
「今までのお寺とは違う浄土も地獄も表現している部分もすごく評価できますし、」
「衆生と言うのは人間だけではなく生きるものすべてであることも地獄から伸びてる手が教えてくれていますし、」
「古いお寺ではなく、現代建築で此処までこだわって建築してくださるのもとてもうれしいのですが…」
「やはり不完全燃焼で…いやでも素敵なんです…素敵なんです…」

「あー…まとまらないっ!」
「つまりタイに行きたいということです。」

「そこだけはよくわかったよ、ちゃん。」
「私もです。」

「鬼灯さんみたいに私も有休とって近いうちに…タイへ…」
「それはそうとさん、お地蔵様をお迎えに来られたのでしょう?」
「時間は大丈夫なのですか?」

「え、あ、そうでした!もうそんな時間ですか!?」
「ごちそう様でした!」
「鬼灯さん、白澤さま、失礼します!!」

「相変わらず元気でかわいいんだけど、ちょーっとズレてるよね、あの子。」
「たまに若さを感じられないときがありますね。」


(鬼灯の冷徹/鬼灯と白澤)