「こっいびっとはーさーんたくろーす、ほっんっとーはさーんたくろーす。」ひらひらと白いファーで縁取りされたスカートを翻しながらスキップしながら俺の目の前をは通り過ぎる。一般的にサンタワンピース?とかなんとか呼ばれるサンタの服っぽいワンピースに黒いタイツを穿いているアイツは普段はズボンばかり穿いているせいか新鮮だ。(パンツみえっぞ、ばーか)キッチンに消えたアイツを追いかけてキッチンをのぞくと其処にはホラー女とが料理を作っていた。もちろんホラー女はいつもの服装のままだったけど。一方的にホラー女に絡んでいるはどう見ても酔っ払いの絡み方だったがとめることもなく、アイツうぜーな、なんて思いながらリビングに戻った。
しばらくしてサンタワンピースとサンタ帽子を無理矢理被らせられたであろうホラー女がいつもより豪華な晩飯を銀のトレーに乗せて持ってきた。
「うへへー、サンタクロースからのクリスマスプレゼントよーん!!」「まあ、ほとんどスナコちゃんが作ってくれたんだけどっ!」さっきからのハイテンションを維持しながらはどんどんテーブルに料理を並べていく。(だからパンツみえっぞ)並べ終わった後にくるんと一回転をして「でもこの衣装かわいいでしょ!」気にしていないを横目に蘭丸の目線は既に足元にあった。
「お前さ、舞い上がってるのはわかっけどよ、パンツ見えるぞ。」「ちぇー。」口を尖らせてはいつもの自分の席に座って次は乾杯の音頭をとり始めた。ヤツがハイテンションなままクリスマスパーティーは幕を閉じた。ちなみに本当にプレゼントは料理だけだったらしくちょっとモメた。俺は皆とは別に用意した、のに、さ。(ちょっと)浮かれてたのは俺だけかよ!

コンコン、とドアのノック音がすると直ぐにがちゃりとドアが開いた。さっきモメたが其処には居て、少し申し訳なさそうに俺の名前を呼んだ。
「なんだよ、」と言えばはうつむいたまんま「さっきは、ごめんね。」コタツに居る俺の横にもぐりこむ。「ホントはね、クリスマスプレゼントあれだけじゃないんだよ。」コタツの中に入れていた手をそっと出すとの小さい手にはしっかりとプレゼント箱があった。プレゼントがあれだけだと思っていた(いや、ならやりかねないと思う)俺はの手元を見る。「・・・俺も悪かった。」素直にプレゼントを受け取ると俺もコタツを抜け出してに渡す予定だったプレゼントを取り、の手のひらに乗せた。はびっくりしてプレゼントと俺の顔を交互に見た。「お前さ、スカート短いのに無神経すぎ。蘭丸とか蘭丸とか蘭丸とか居るんだから気をつけろよ。」「でも、似合ってるとおも、う。」段々の顔を見るのが恥ずかしくなって窓の方を見るとコタツをいつの間にか出ていたが急に飛びついてきた。(うわ、!)
きょうへい、きょうへい、きょうへい!!ぐりぐりと俺の服に顔を押し付けてしがみついていたはぐい、と顔を上げて少し頬を染めながら「だいすき!」と満面の笑みを浮かべた。




恋人
(揺れたスカートの向こうの時計は) (24日を少しすぎていた、)