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「神宮寺さん。」

「おや、どうしたんだい?」
「珍しいね。レディから声をかけてくれるなんて。」

「今日お誕生日だと聞きました。生憎先ほど知ったので、プレゼントを選ぶ暇が無かったのですが、よかったら…」
「結局バレンタインにちなんでチョコレートなんですけど…」

「嬉しいねぇ。」
「レディは記念日に関して割りと淡白なイメージがあったんだけど、わざわざ買ってくれたなんて。」

「え、あ…」

「その気持ちだけで十分俺へのプレゼントになっているよ。」
「ありがとう。」

「…淡白、そうですかね…?」
「知らないだけであって一応知っているひとには事前に選んだりしてるつもりなんですけど。」
「…まあ確かにあんまりあげてはいないですね…皆さんの誕生日、知らないんで。」

「友達とかは?」
「友達は結構あげてますね。誕生日が手帳に書いてある子は。」

「なるほどね。」
「じゃあ俺の誕生日、今日から手帳に書いておいて。」

「はい、そのつもりです。」
「あ、」

「なんだい?」

「神宮寺さん、お誕生日おめでとうございます。」

「…ありがとう。」
「今日は特別な日になりそうだよ。」

「そうですね、ファンの皆さんからもお祝いのお手紙が沢山来ていましたよ。」

「…」
「相変わらず、鈍いね。」

「え?」

「いや、なんでもないよ。」
「おっと、そろそろ時間だ。」
「じゃあね、レディ。このお返しはホワイトデーにさせてもらうよ。」

「え、あ、はぁ…」
「(…コンビニに行ったらあと500円で765ちゃんのキーホルダーがもらえるからついでに買ったとか…言えない…)」


「…ま、喜んでもらえたしいっか。」